くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
わかんないよ……。
どうして野島はこんなにも苦しげなの?
でも、誰にも知らせるななんて……。
何か理由があるの?
わからないけど……
今あたしの心の中に浮かんだのは、野島を助けてあげたいという素直な気持ち。
もしかしたら、野島はずっとひとりで耐えてきたのかもしれない。
病気になっても頼れる人も相談できる人もいなくて……。
それを想った刹那――
あたしの胸が痛み、自然と涙がこぼれ落ちた。
そうだった……。
普段はふざけてて気付かなかったけど、野島は天涯孤独だった。
野島はここ一週間は取り囲まれちやほやされたけど、だからってすぐに気を許す相手ができる訳じゃない。
ずっと苦しみに耐えてきたんだ……。
あたしは座り直して両足を揃えると、有無をいわさずに野島の頭を抱えてそこに押しつけた。
ひざまくらなんて初めてやるから恥ずかしいけど、ほんの少しでも野島の苦しみが和らぐといいと祈った。
「……あたたかいな、鈴本は」
野島はそう言うと、少しは表情を和らげてそのまますうっと寝入った。
ホッとしたあたしは、野島が起きるまでトコトン付き合おうと腹を決めた。