くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「それよりさ、亜美は誰だったの?」


あたしは話題を変えたくて急いで言った。


すると、亜美はいきなり黙り込んでうつむいた。

もしかしたら、全然意に染まない人だったとか?


亜美はあたしと違ってデリケートだから、もしも乱暴な男子だったら。


「亜美、あの……」


心配になって背中に手を当てて顔を覗き込めば、亜美はにっこりと笑ってアイテムを裏返した。


するとそのサンダルの裏側には
「体育教師・加藤大作」
と、紛れもない加藤先生の名前が貼られてた。


「うわあ、やったね亜美!」


あたしは思わず飛び上がって亜美の体に抱きついた。


「ありがとう! まさかと思ったけど、勘を頼りに掴んでみたらドンぴしゃ。よかった……加藤先生と少しでも思い出が作れるんだぁ」


「うん、よかった! 本当によかったよね」


あたしも一緒に涙を流した。


亜美の想いがかなわないとしても、きっといい思い出は作れるはずだから。


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