くるうみ。~あなたと過ごした3日間~



お父さんに教えてもらった病院の電話番号や住所をメモして、部屋にある地図でその場所を調べた。


山潮にある駅から電車で10つ以上の駅を通らないといけないし、そこからバスに乗らないといけない。


電車賃だけでもバカにならないや……。


あたしはカバンから財布を取り出すと、中身を改めてみた。


……小銭を含めて1482円か。


これじゃたぶん2人分の電車賃にもならない。


机の上に広げた全財産を前にため息を着く。


やっぱりお母さんから借りるしかないかなあ……でも、理由を訊かれたら嘘をつくのも心苦しいし。


どうしよう~。


椅子に座ったまま勉強机に頭を載せて唸ってると、視界の隅に本棚の間から白い素焼きの角が見えた。


……ん、あれなんだっけ?


椅子に座ったまま手を伸ばしたけど取れなくて、仕方なく片手を支えに立ち上がり本棚の本を避けてみたら、そこにはブタさんの貯金箱がおわしました。


え、こんな場所になんで貯金箱があるの? と考えてからあたしは思い出した。
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