くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
曾おばあちゃんはもしかして、何か知っていたの?


だからあたしに瑠璃香という名前を付けて、このペンダントを形見にくれたの?


曾おばあちゃんが亡くなった今は、知る術がないけど、ひとつわかることは、曾おばあちゃんがあたしを大切に可愛がって行く末まで案じていてくれたこと。


まだ幼かった勇人にあたしを護るよう頼んだくらいに。


あ、だけど……


曾おばあちゃんはなぜ勇人に頼んだの?


他にも山潮にいる幼なじみの男の子だっていたのに、どうして山潮に来るかもわからない見知らぬ行きずりの男の子に?


あたしだったらそんな不確実な事はしないけど。


まさか、曾おばあちゃんにはあたしと勇人の出逢いと惹かれあう運命が見えてた?


それこそまさかだよね。


勇人と言えば、あたしはやっと思い出した。


時計を見ればまだ9時前なのに、どうして勇人があたしの部屋にいるのか。


「勇人、なんで帰ってきたの? バイトは?」


あたしが訊くと、勇人は
「茉莉花ちゃんから連絡もらったんだ。瑠璃香が倒れたって。だから早引きさせてもらった」
とさも当然のように言う。
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