予言と未来
秘密



何処からか、懐かしい声が聴こえる。



――お姉ちゃん、怖い夢 見たよう……。



――ほら、おいで。一緒に寝よう? 2人なら、怖くないでしょ?



――うんっ!



暖かい風。
暖かい世界。



それは不意に、冷たい空間へと変わる。



――ふぅん、こんな餓鬼が俺を召喚したのか。良いぜ。お前の願い、叶えてやるよ。



……こんな筈じゃ、無かったんだ……。



――貴方は……生きて……。



目の前に咲く、赤い花。



余りにも綺麗過ぎて、気持ちが悪い程。



……僕の所為で……。



御免なさい。
御免なさい……っ。



謝って許される程、罪は軽くない。



あの時、一緒に死ねたなら。



……耳元で、悪魔が囁く。







――お前も、悪魔だ……。


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