予言と未来







「…………っ!!」



はっと息を飲み、ライネスは飛び起きた。



「……っ……はぁっ……。」



自分が夢を見ていた事に気付いて、小さく溜め息を つく。



(……最近、見てなかったのに……。)



6年前は しょっちゅう見ていた過去の記憶。



独りで生きるように なってから、段々と記憶は薄れて行き、夢に魘(うな)される事は無くなっていた。



こんなに鮮明に見たのは久し振りで、ライネスは もう1度、小さく溜め息を ついた。



周りを見渡せば、地面に毛布を敷いて雑魚寝を している仲間達の姿。



(…………?)



違和感を感じて首を傾げ、ライネスは愛光が居ない事に気付いた。



仲間を起こさないように、ライネスは立ち上がる。悪夢の所為で汗を かいていて、服も何だか湿っぽい。



外の空気を吸いがてら、愛光を捜そうと思い、ライネスは洞窟を出た。

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