予言と未来
「大爺様と私で話し合って……皆には言わない事に したんです。」
リホの言葉に、仲間達は唖然と した。
「……何だよ、それ……。」
「御免なさい。でも、何とか したかったんです。」
抽象的な言葉しか言わないリホに、ウィロアは微笑んだ。
「そう。貴方達も私達も、予言の一部の実現を望み、予言の一部の実現を阻止しようと している。」
そう言いながら、ウィロアはライネスに近付いた。
「……ねぇ、ライネス。悪魔達 皆、貴方を待ってるわ。」
「…………っ!!」
後退るライネスとの距離を、ウィロアは即座に詰める。
「だから……一緒に行きましょう?」
「いっ……嫌だっ!!」
ライネスの声は、悲鳴のようだった。それ程に、彼は怯えていた。
ウィロアが手を伸ばし、ライネスの頬に そっと添えると、彼の躰は びくんと跳ね上がった。
「ライネス、何やってんだよっ!」
ウィンが飛ばした鎌鼬を、ウィロアは見もせずに、魔法で相殺する。
「……ね? 良い子だから、おいで。」
幼い子供を宥めるような声。
ライネスは目を きつく閉じ、歯を喰い縛って、ウィロアから顔を背けた。