予言と未来
「それに、もし怪我しても、レイムが魔法で癒してくれるんでしょ? どんな感じか知りたいし。」
「……アイカってさぁ、変わってるよな。」
ウィンが僅かに躊躇った後、そう呟いた。
「変わってないよ。これが私だもん。」
アイカの返答に、仲間が思わず微笑んだ その時。
「……終わったか。」
少し掠れた低い声が、後ろから聞こえた。
振り返ると、剣を左手に持ったライネスの姿。
「てめェ、おっせェぞ!!」
「……お前等の話が終わるのを待っててやっただけだろ。そいつは魔法を使うのが初めてみたいだし、てっきり幾つか契約を結んでから戦うのかと。」
「心配無用!じゃ、早速 始めよっか。」
愛光が そう答えると、リホ達は少し離れた所に腰を下ろした。
ライネスが剣を構える。その身に鞘は、付けられたままだ。
「……どっからでも掛かって来な。俺は この剣1本だけで、相手を してやる。」
「解った。」
そう答えたものの、どう戦えば良いのか解らなくて、愛光は固まってしまう。
(……取り敢えず、何か使ってみない事には……。)
その時。
「!?」
優しい風が、愛光の身を包んだ。