本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜
彼は一瞬だけ驚いた表情を見せた。今更遅いですよ。


あの日、島田さんに聞かされたもう一つの話。森下さんが辞表を出したということ。まったく、先輩も森下さんも本当に不器用だ。




「あいちゃん、森下が泣きながら俺に連絡してきた。ひどいことをした。仕事なんて続けられない。合わせる顔がないなんて言ってた。確かにあいつがしたことは許されることじゃない。でも・・・俺はあいつが好きなんだ、仕事仲間として。だからあいちゃん、森下を救ってやってほしい」




あの日からずっと私がすべきことを考えていた。


2人の辞表はどちらとも保留のままだけどそんなに長く時間もない。だからもう会いに行くしかない。



そう決めて、今日2人に会いに行くことにした。
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