淡く儚い月に見守られ
エピローグ『あれから』
遥翔が旅立ってからの杏奈は葬儀などは気丈にふるまっていたものの、それからは悲しさのあまり仕事に復帰できないどころか家からも出ることができず引きこもる生活を送っていたが、周りの支えや励ましにより半年ほどたったころには少しずつではあるものの仕事にも復帰出来る様になっていた。

あの悲しい別れから五年の歳月が流れた遥翔の命日であるこの日、毎年この日だけは仕事を空けてもらい遥翔の墓参りに来ていた杏奈。

杏奈は墓前で遥翔に語り掛ける。

「遥翔さん、天国で元気にしていますか? ほんとは月命日ごとに来たいんだけど仕事が忙しくて来られないの、ごめんね。それより喜んでください遥翔さん、今度主演映画が決まったんですよ、あたし頑張りますね。遥翔さんも天国から見守っていてください!」 

次に杏奈は、言いよどみながらも遥翔の墓前に向かい静かに口を開く。

「遥翔さん、最近あたしにすごくよくしてくれる人がいるの、その人はあたしと遥翔さんの関係を知っていて総てを受け入れたうえであたしと付き合いたいって言ってくれているのよ。ねえ遥翔さん、あたし幸せになってもいいのかな?」

 この時杏奈のもとに天国の遥翔から優しく語り掛ける声が聞こえたように感じた。

「そんなこと気にするな杏奈、お前は俺のことなんて気にしなくていいから幸せになるんだぞ! 分かったな」

「ありがとう遥翔さん、あたし遥翔さんの分まで幸せになるね。では天国でお父さんやお母さんと仲良くしてくださいね」

 杏奈は最後に静かに手を合わせ「じゃあね遥翔さん」一言いい残しゆっくりとその場を立ち去った。
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