オオカミの育て方

アレルギー

「なーつきッ」

後ろから奴の声が聞こえる…
近づいてくる足音に鳥肌が立つ。


「く…来るなぁ!!」

私が拒否をしても、それは無駄なだけで…


「来ちゃった☆」

「…来ちゃった☆じゃねーよ…」

矢澤 ナツキ 高3

苦手なもの


…神崎 翔

そう、今私の目の前にいる男だ。


可愛い顔してこいつの中身はもう…


「キスしていい?」



ドス!!


「寝言は寝て言え」


性欲で溢れかえったオオカミ。


口を開いたと思えば、「ナツキ」「えっちしよ~」「結婚しよーよッ」「子供作ろう!」「ちゅーしていい?」etc.

翔の容姿なら誰でもOkするだろう。

なのに…

「何でいつもあたしなわけ?」

「ナツキが好きだからに決まってんじゃん」

翔はニコっと笑う。
ムカつくほどに、可愛い…。

「冗談やめてよ、気持ち悪い」

あたしは教室に戻りながら言った。

「素直じゃないなー、本当は嬉しいくせに~」


…こいつは真のバカだろうか…


「おめでたいやつ…」

ぼそっと言うと、翔は「え?」と聞き返してきた。


「なんでもない」

「えー何々!気になるじゃん!」

翔は口をとんがらせた。もうこれが女の子なら男はノックアウト。


「しつこいんだけ…ど…」

…なんだ…これは…

後ろを振り返った瞬間、そこにはたくさんの女子&男子。



「翔たん萌え萌え~」

一目見ただけでわかる、オタク。

「ナツキ様ぁ~私を見下してください!!」

ドM女子…








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