緑色少年
噂探し
「なあ、桜田?」
「・・・なんでしょう、小林先生」
「なんでしょうじゃねーよ、なんだこのレポートは!!」
「緑色少年の「そうじゃねーよ!大体誰がこんなレポートを書けといった!?確かテーマは“人間社会”についてだったよな?」」
「いやいや、緑色少年も人間社会の一員ですよ、きっと!」
「はあ!?とにかくお前、明日再提出だからな!」
「ええ、そんな・・!」
「当たり前だろ!いいか、次はちゃんとしたレポート持って来いよ!」
そして、先生は私を職員室から追い出した。
「最悪だ・・・」
がっくりと肩を落としながら、とぼとぼと廊下を歩く。
・・・それもこれも、全部
「美奈子のせいだ!!」
「・・え、何がよ?」
昼休み終了10分前、楽しみにしていたお弁当も食べれずに小林先生に説教された私は、自分の教室に着くやいなや悠々と携帯を弄っている美奈子の机に両手を叩きつけた。
「美奈子が、最近もちきりの噂があるから、それを書いたらって・・・」
「ああ、そうね。でもあのレポートは無いわ。小学生の悪ふざけしたレポートみたい」
「なっ・・・!」
「まあ私が言わなかったらどうせ書かなかったんだろうし、結局怒られるんじゃない」
「・・・それは・・・そうだけど」
何も言えなくなった私に美奈子はハッと鼻で笑った。
悔しい・・!けど言い返せない!!
歯を食いしばる私に、美奈子はそうだ、と声をこぼした。
「その、緑色少年のことなんだけど」