恋花
第1章
~数ヶ月前~
「まーことー!!同じクラスやったよー!」とまわりもびっくりするぐらいの声量で私の元へと駆けてきた私の唯一の親友、古畑美咲。
「そーなの?クラス表見てくるの早いね。」元気な美咲を受け止めるように話す私、篠原真琴。私と美咲は他愛無い会話をしながら早速クラスへと向かう。今年から2年かぁ、後輩できるかな?とか思っていると、教室についていた。「今日から2年生だね!」と嬉しそうに話す美咲は女子の私から見ても超可愛い。「そーだね。部活にたくさん後輩できるといいね!」と話しながら教室に入った。これから入学式はじまるんだぁ・・・。私も去年は1年生だったんだよね、、、。今じゃ考えらん無いなぁ・・・。あの時もこんな会話だったなぁ・・・。

『まーことー!同じクラスだったー!!』うれし泣きのような顔をして美咲が私の元へ駆け寄ってくる。
『ほんとに?!やったー!!美咲と1年同じクラスなんてー!!』私もうれしくて、大きく手を広げて美咲と抱き合った。それから私たちは高校生活について他愛無い会話をしてたんだっけ?で、クラスについてからもずっと話してて、それから、、、隣の席の人。確か名前は椎名、、、椎名悠斗、彼はチャイムより少し遅れて入ってきた。先生も彼のことは気にする様子もなく、出席を取り始めた。それから休み時間になり、美咲と話していると美咲が急に彼、椎名悠斗の話題に変えた。『ねぇねぇ、椎名君ってさ中学のときすごいヤンチャだったんだって。』顔をしかめながら言う美咲の顔はいかにも関わりたくないという顔だった。『そうなの?優しそうだけどなぁ。』横顔がどこか悲しい感じがしたんだけど・・・。『真琴、隣の席とかついてないね~。でもでも!椎名君、顔はすっごいかっこいいと思わないっ?』今度は打って変わって恋する乙女の顔だ。実は美咲はこうみえて惚れっぽい性格だから好きになったらすぐ告白とかしちゃうタイプ。で、失恋したときにいつも私がなぐさめてる。『まぁ、よく顔見てないしかっこいいかはわかんないや。』
『もぉー!真琴は、いっつもそーじゃん!恋愛に興味ないの?』
『興味がないわけじゃないんだよ。恋、して裏切られるのは嫌だから。』
そう。私が中学に上がる頃、父が浮気をしていて家から去った。その日から男は信じられなくなった・・・。どうせ裏切られるから、信じても仕方ない・・・。
『そうなんだ。ごめんね、真琴。ゆっくりでいいから一緒に恋バナできるようになったらいいね!』美咲は優しいな・・・私はこの美咲の優しさに甘えてばっかりだなぁ・・・
・・・・・いつか、ほんとに信じられる男の人と出会えたらいいけど。
『おい、邪魔。』ふと声がしたほうを見上げると椎名悠斗が睨みつけていた。
『あ、ごめん。』とっさに謝る私に対して美咲はというと、、、
『ちょっと、なんなの?もっと違う言い方できないの?』椎名悠斗に負けないぐらい睨みながら少し怒りながら言った美咲。
『俺はこれが普通なんだ。わかったらさっさと退け。座れねえ』これは、椎名悠斗の勝ち、かな?と思いながらフフフと美咲と椎名くんのやり取りをみながら笑った。つかのま
休み時間が終わったチャイムがなり、急いで席に着いた。
『おい、篠原なにがおかしかったんだ?』と椎名くんが聞いてきたので、
『美咲と椎名くんのやり取りがおもしろかったんだよ。』まだ少し笑ってる状態でそう言った。
『悠斗。』『へ?』『名前、悠斗でいい。』『あ、うん。じゃあ私も真琴で。』
『わかった。真琴』そう呼ぶ彼の声は少し色っぽくて恥ずかしくなった。『ゆ、悠斗は、彼女とかいたりするの?』って私なに言ってるんだろ!悠斗も引くよね・・・?
『んー。今はいないかな?』頭をポリポリとかきながら曖昧な返事をした。
『じゃ、じゃあ今まで何人と付き合ったの?』またへんなこと聞いちゃったかな・・・?『んー。1人だよ。』え・・・?1人?美咲から聞いたうわさじゃいつも女の子をとっかえひっかえしてるって・・・。『そ、うなんだ・・・。』なぜかいけないことを聞いてしまったようで胸が痛んだ・・・。『おい、真琴。大丈夫か?』『え?何で?』『だって、泣きそうな顔してんじゃん。』え?そんな顔してるの?『いや、大丈夫だよ・・・。』
『ならよかった!』悠斗は安心したような顔でにっこりと笑った。‘ドキンッ’ 何?この気持ち。胸がすごくドキドキする・・・。しかも悠斗を見てるともっとドキドキする。もしかして、、、この気持ちが、恋・・・?

そしてドキドキの正体がいまいちわからないまま、放課後になってしまった。
『はぁ、部活行かなきゃ・・・。』でも、なんか頭痛いしクラクラする・・・。今日は、あいさつだけして休もっかな。と考えながら鞄を持って体育館へと向かった。
『ナイッシュー!もう1本!』体育館へつくとと私の所属している女子バスケットボール部の元気のいい掛け声が響き渡っていた。『あ、真琴先輩!こんにちわ!』後輩のミカ。『せんぱーーーい!!』元気良く私に抱きついてきた後輩のサナ。この二人は1年の中で一番プレーが上手いからよく試合にも出さしてもらってる。『あ、篠原先輩。こんにちはです。』この子も後輩でユキちゃん。おとなしい子だけど、プレーは積極的でパスも正確。初心者とはとても思えないほど・・・。『みんなこんにちわ。』私は皆にあいさつをし終えると、男子バスケ部の顧問もしている女バスの顧問に欠席すると言いに行った。
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop