水ノ宮の陰陽師と巫女
秋。10月になろうとしているのにまだ天気が良いと気温も高く暑い。

この時期になれば、どこの高校も学園祭がある時期。

私たちも、その学園祭の準備に取り掛かっていた。

学園祭の最後と言えば、「出し物」だ。

委員長から一言。

「今年の学園祭のテーマはファンタジー!」

「ファンタジーにしたいと思うんだけど、誰か提案ないかな?」

この出し物を何にするかで、今教室内は、クラス中で大騒ぎだ。

「メイドカフェがいいでーす!」

「いやいや、執事カフェっしょ?」

男子も女子も、カフェには興味があるらしい……。

が、カフェはファンタジーの部類に入るのだろうか?と、一人私は考えていた。

「ファンタジーならお化け屋敷とかはぁ?」

という意見も出てきた。

「カフェと、占いコーナーとか一緒にするとかは?」

屈託のない笑い声とともに、意見をみんなが出し合っている。

屈託のない、意見を出し合えるのは、いつもながら、うちのクラスは平和だ。

この学園は男女平等を謳っているので、男子も女子も「家庭科」は必須科目になっている。

「自炊のできる男子はモテる」という言葉が、モテ男の必須条件のように、男子も調理、被服は家庭科の授業では行うという珍しい学園でもある。

しかし、カフェよりも、もっとこの学園祭で重要なのは、「仮装行列」だ。



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