水ノ宮の陰陽師と巫女
異空間に連れられ操られた彼女たちの姿を見ると、指から糸のようなものが出ている。引っ張ってみたが抜ける様子もなく、切印を組み切解で、全ての糸を切り離し、滅した。

直後、彼女たちは目を覚まし始めた。

「うー。頭がくらくらする……。なんで私ここで倒れてるんだろう……?」

何人ものクラスメイトが同じようなことを言い始めていた時、真理と佳織が先生を連れて戻ってきた。

「一体何が起きたんですか?黒須先生!」

抱き起された黒須先生が目を薄らとあけ始めた。

「あ、あの……。私何を……」

今の状況が全く分かっていない黒須先生は、目を開け、周りを見始めた。

あちらこちらで座り込んでいる女子生徒たち。

「私たち何をしてたんだっけ……」
「何だっけ……」
「頭いたーい……」

と、ざわざわと囁かれる教室の中、頭を押さえるなどを見て、何があったのかが分からないという顔をしていた。

「とにかく生徒を連れて、先生も保健室へ」

と、佳織たちが連れてきた先生が、座り込んでいる生徒に声をかけ、保健室へと促し連れて行った。

「さあ、君たちも!」

「私はなんともありませんから、二人を……」

と言ったが、それはダメだということで、仕方なく皆と一緒について行った。

しばらく保健室で皆が休んで、保健の先生が『大丈夫』というお墨をもらってから、私は保健室を出た。

まだ、操られた生徒たちを残して。
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