水ノ宮の陰陽師と巫女
こういう時は、男女共に家庭科必須というのはとても役立つ。

男子も衣装も、クッキーやお茶は作るのだから。

翌日の放課後、女子数名が買い出しに出た。

衣装に使う布や、カフェで使う材料を。

そして、占いをする真理の衣装もどんなのにするかと、手芸店で、みんなで選んだ。

「ねぇ、真理。衣装、何色にする?」

「赤がいいな」

と、真理は即答してきた。

「赤?なんで赤なの?」

私は驚いて聞いた。

「うん。赤。ローブみたいなのがいいんだけど……。ダメかな?」

赤……。それもローブって魔術師みたいだなぁと、思った。

ちょっと私は困った顔をした。それに気づいた真理は

「な、なんか魔術師っぽい方がいいかなぁー、なんて思ったからさぁ。テーマ、ファンタジーでしょう?」

ああ、そうか、そこまで考えてのことだったのかと、納得した。他のみんなも、本格的っぽいからいいんじゃないかということで、賛成した。

真理は頬を少し赤く染め照れながら

「ありがとう」と、言い好きな色の布を手にとった。

「それじゃ、衣装の方の材料はこれでいいよね?」

という、副委員長の瑠梨が、会計に向かい、私たちは、買いだした衣装の材料を手分けして持ち、学園まで運んだ。
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