社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「…氷室さんは、異動早々人気者ですね」
「ん?あー、まぁね。すぐ落ち着くと思うけど」
すぐ無言になってしまう私が何か話題を、と咄嗟に切り出した話にも彼は笑顔で返す。
「けどまぁ、さすがに終始囲まれてるのは疲れるかな」
「…?」
「俺、積極的な子も好きだけど宇浦ちゃんみたいな大人しい子の方が好きなんだよね」
すると空いた手はその言葉と共に慣れた手つきで私の顎をくいっと持ち上げた。
「……」
じっとこちらを見つめる瞳は、綺麗な薄茶色。
透き通るようなその色に一瞬心が揺れかける、けれど
「…そういうことばかり言ってるから、疲れるほど好かれるんじゃないですか?」
その手をパシッと払い私は彼と距離を取る。
「手伝ってくれてありがとうございました。先に戻ります」
「……」
そして素っ気なく言うと、スタスタと資料室を後にした。
ーバタン、
「…つれないねぇ」