社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



(深呼吸、深呼吸…)



外は少し風が冷たくなってきているものの、爽やかな秋晴れ。青い空には白い雲が流れる。

どうせならこのまま屋上まで出ようかな、そう何の気なしに非常階段を上り始めた…その時



「ふふ、今日も朝早いのね」

「…?」



聞こえた声にそろりと上を見れば、上の階の非常階段では何やら男女が二人抱き合い顔を近付けている様子が伺える。

顔は見えないけれど女性の声は聞いたことがないというあたり、違う部署の人なのだろう。



「ねぇ、私のこと好き?」

「……」


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