社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



「……」





その横顔は見慣れた、彼

氷室さんの横顔





「…いけない、私そろそろ戻らなきゃ」

「うん、じゃあまたね」

「ええ、また」



それだけの行為を終えると彼女は腕時計を見て、手を振り上の階へと上って行く。



「…、」



それを笑顔で見送った彼からはふう、と小さく息を吐くのが聞こえた。



「……」





いけない、戻らなきゃ

見なかったことにしなきゃ、忘れなきゃ

そう思うのに、足は動かない。

そこから一歩も、動けない。




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