社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



「…、」

「……」





唇の柔らかさ、その手の体温、鼻をくすぐる匂い

あの日より、しっかり伝う彼という感触。





「…や…離して、」

「…やだ」



体を拒むように押し返す手も無駄だと言うように、その両腕は力強く抱き締める。


ーパシャン、

投げ捨てられた傘は路上に落ちて、みるみるうちに互いの体が雨に濡れていく。



「…ん、…」

「……」



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