そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
少し歩いたところにある駐車場の自分の車に乗り込む。

今日もやっと仕事が終わった。

ほっと一息ついてから、私はそっと腹部を撫でた。

不安と幸福感。果たしてどっちが大きいのだろう?
おそらく現実はどこまでも、どこまでも残酷だ。

それでも彼は信じている。疑いのない瞳で私を見つめている。
もし、彼に拒絶されたら…生きていけない。

何があっても一緒にと口では言っていても
その時が来たら…その事実を目の当りにしたら…
そう思うと怖い。

私は今まであまりにも男に裏切られ過ぎている。
男という生き物を信じられない事実を多く突きつけられてきた。
それでも、それなりに受け入れたからこそ今がある。

年末からの私自身そしてまわりの変化は著しかった。

出会いと別れ、目の回るような感情の上下を繰り返し、
体調の変化。かき乱されるような恐怖を味わったり、
穏やかな心を手に入れたり…
さながらジェットコースターに乗っている気分だった。








でも、今度だけは違うと信じたい自分もいる。
ここまで来た。あとは信じるしかない。
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