悪魔の彼
出来ていないわけがない。
とうとうこの時が来たのだ。
イアが捕まってからそれほど日にちはたっていない。
だが、私には長かった。
長くて、果てしなく続いていくような、そんな気がするほど……
私は言葉は発する事なく、静かに首を縦にふった。
その意志は皆同じだったようで、口を揃えて「もちろん」と言った。
瞳には微かなかがやきを見せて、しかし、少しの不安を背負いながら。
願いは一つ
私なんてどうなってもいい。
ただ、ただ
彼が助かることだけを考えて、願った。
そして、重い扉が開いた………
.