悪魔の彼







出来ていないわけがない。



とうとうこの時が来たのだ。






イアが捕まってからそれほど日にちはたっていない。

だが、私には長かった。


長くて、果てしなく続いていくような、そんな気がするほど……





私は言葉は発する事なく、静かに首を縦にふった。



その意志は皆同じだったようで、口を揃えて「もちろん」と言った。




瞳には微かなかがやきを見せて、しかし、少しの不安を背負いながら。




願いは一つ






私なんてどうなってもいい。



ただ、ただ


彼が助かることだけを考えて、願った。















そして、重い扉が開いた………
















< 296 / 400 >

この作品をシェア

pagetop