relations
「…うわ、凄い」
そこには、貴重な本ばかり。どれも自分が一生お目にかかれないものだとばかり思っていたもの。
「やはり、わかる人にはわかるようだな。ここにあるのは、さっきの部屋の本よりも希少価値の高い本が置いてある」
この部屋の真ん中にそれはあった。「嵐が丘」の初版本…あれ?
「さ、三冊もっ!?」
「そうだ…父が競り落としてきたものだ。まぁ、そのうち二冊は偽物だが」
…二冊だけなんだ…
「…ここは自由に使ってもらって構わない。ただし、私の大事なコレクションを傷つけないこと。いいね?」
「はいっ!ありがとうございますっ!」
と言いくるめられて、はや一週間。
今日も、旧図書室に向かう。しかし、それだけが理由ではない。
「蒼太君…読んでくれたかなぁ…」
こっちの楽しみも、あった。