極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
後ろから抱きすくめられて肩口に顔を埋められると、それだけで身体中が痺れて立っているのがやっとだった。
「堤所長、離して……ください」
「龍之介だろ」
「だって、ここ会社で……っ」
喋っている途中でクルッと向きを180度変えられて、唇を奪われてしまう。
なんで、いきなりキスなわけっ!?
驚き抵抗してみても、頭と腰をガシッと押さえこまれてしまっていて、どうにも身動きがとれない。
万事休す───
抵抗するのをやめて龍之介に身を任せると、それに満足したのかチュッと音を立てて唇を離した。
「一週間も我慢したからな、もう限界だった」
「限界って……。私たち、そんな関係じゃないと思いますけど?」
「そんな関係って?」
ニヤリと嫌みな顔をして、それを私に言わすって……。
やっぱりとことん意地悪だ。
「こ、恋人とか」
「あれ? 俺、菜都に好きって伝えたけど? それに、しばらく一緒に暮らさない? とまで言ったような」
はぁ? 確かにそのふたつの言葉は聞いたけど、そこにどれだけの本気が含まれていたというの?
そんな不確かな言葉、信用できるわけないじゃないっ!!
バカ龍之介!