極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~
「集中できなくなった責任は、後でとってもらうから」
「責任、ですか? ただ龍之介の顔を見てただけで、私何もしてないのに……」
「お前、どんな顔して俺のこと見てたのか、気づいてないだろ?」
えっ? どんな顔してたんだろう。全く検討がつかない。
確かにいろいろ考えていて、頭の中が“?”だらけになっていたけれど。
運転に集中できなくなるくらい、変な顔だったんだろうか。
ひとり顔をムニムニ触っていると、その手に龍之介の手が触れた。
「心配するな。後でもう一度、同じ顔をさせてやる」
「いや、それいいです。変な顔なんて、二度もしたくないですから」
「誰が変な顔なんて言った。とにかくもう少し待ってろ」
そう言うと車のスピードを上げて走りだし、あっという間に私のマンションの前に着いてしまった。
「ここって、駐車場あるの?」
「うん。来客用のがありますけど」
「どこ、教えろよ」
それが人に物を聞く態度ですかっ!? 偉そうにっ!!
って思うだけで、口に出せない小心者の私。
だって龍之介にひとつ文句を言ったら、百の意地悪が返ってきそうじゃない?
私だって、ちょっとは学習してるんです!