素敵な上司とキュートな部下
その花火大会は、金曜の夜に催される。

会場は会社から歩いて行けるほど近く、定時で上がれば仕事の後に行けるのだが、加奈子は行きたいと思った事も、実際に行った事もなかった。疲れるし、面倒だからだ。一緒に行く彼氏でもいれば、話は別なのだろうけども……


「何人で行くの?」


本当は『イヤ』と言ってしまいたい加奈子だったが、相手が可愛い部下ではそうも行かず、それと、加奈子にはある予感があり、それでそういう聞き方をした。


「このチケットはペアになっていて、2枚あります」

「つまり4人までって事ね?」

「はい」

「後の二人は誰と誰?」

「嶋田先輩を誘おうって思ってます」


それを聞き、“ああ、やっぱりか”と加奈子は思った。おそらく大輔絡みだろうと加奈子は踏んでいたのだ。しかし……


「もう1人は?」


と加奈子が聞くと、


「決めていません」


と美由紀は答え、加奈子は首を傾げた。

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