素敵な上司とキュートな部下
「部長、ここはいい店ですね? よく来られるんですか?」

「いや、俺も何度か来ただけだ。しかも一人でな」

「じゃあ、今夜は特別って事ですね?」

「そうなるかな。さあ、メニューを見て、何を飲むか決めなさい」

「はい。えーと、カクテルが多いですね!」


大輔が言う通り、メニューには様々なカクテルの名前が並んでいて、大輔達3人は、まるで珍しい物を見るかのように、それらに見入った。


「部長もカクテルですか?」

「いや、俺はワインにする」

「そうですか。主任はどれにします?」

「そうね……沢山あって迷っちゃうわね?」


と言いながらも、加奈子はあるカクテルの名前に惹かれ、内心は既にそれと決めていた。ただちょっと、その名前を言うのは恥ずかしいのだが……


「桐谷は?」

「わたしは……名前は分からないんですけど、綺麗な水色のカクテルを飲んでみたいかなって……」

「青いカクテルは色々あるが、オーソドックスにブルー・ハワイなんかどうかな?」


香川に言われ、


「じゃあ、それをいただきます」


と美由紀は素直に答えた。


「僕はこのマルガリータってやつにしようかな。なんか甘そうな名前だから。あ、僕は甘党なんです」


と言って大輔はえへへと笑った。マルガリータは、テキーラをベースにしたかなりアルコールの強いカクテルなのだが、大輔はそれを知らなかった。

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