素敵な上司とキュートな部下
大輔が乗り降りする駅と加奈子のそれは、同じJRの路線で、しかも3つしか離れていなかった。

加奈子がそれを知ったのは、加奈子の歓迎会の夜の事だった。ただし、加奈子の“隠れファン”を自認する大輔は、当然ながらもっと前から知っていたのだが。


そして、これから向かう神林家は、やはり同じ路線で、大輔の家と反対方向へ向かって2つめの駅を降りてすぐの高層マンションだ。“ご近所”と言うほどではないが、みな比較的近い所に住んでいるのだった。


大輔とは、前から3両目あたりのホームで待ち合わせていた。約束の時刻より5分ほど早く着いた加奈子は、生温かい風に吹かれながら、大輔が来るのを待っていた。


(暑い……。やっぱり薄着で正解だったわ)


少しして、電車がホームに入って来た。そしてドアから溢れるようにして降りてくる乗客達の中に、大輔の姿を探す加奈子だったが……

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