素敵な上司とキュートな部下
「やったー!」


大輔がはしゃいだ声を出し、それを聞いて加奈子は我に返った。


「ちょ、ちょっと待って? 今のはナシ!」

「えー? 今更ダメですよ……。却下します」

「ねえねえ、“ご褒美”って何なの?」


志穂の問い掛けに、


「それは……」


加奈子は答えようとしたのだが、加奈子自身、答えを知らない事に気付いた。


(ご褒美って、何だっけ? 嶋田君は何て言ったんだっけ。たしか、『主任の……を僕にください』と言われたような……。でも、肝心な“何を”の部分を思い出せないわ。ていうか、聞こえなかった気がする)


「それは内緒です。ね、主任?」

「そ、それ以前に、私は……」

「それはモノなの?」

「いいえ。“モノ”なんて言ったら、主任に失礼です。ね?」

「“ね?”って言われても、私は……」

「ま、まさか……!」

「おい、嶋田。まさか、おまえ……」

「二人とも、変な想像して怖い顔しないでよ。そんなんじゃないんだから、ね、主任?」

「だから、私は……」

「じゃあ、帰りましょうか?」

「えーっ?」

< 73 / 210 >

この作品をシェア

pagetop