サイテー男に恋をした。

私たちの、中学校では毎年3年生が
音楽祭をやるの。
私は、伴奏だったんだけど、
間違えちゃったんだ。
そんで、放課後1人で音楽室で練習してたら、
漣斗が来て、

 『よっ。お前、今日伴奏まちがえたよなw』

 『この伴奏難しいんだからね?それくらいわかれよ。ばーか』

 『ばか?はー?まじ意味分からん。
 せっかく、励ましに来てやったのに。』

げっ。なんだこの捨てられた子猫ちゃんのような目はー。
あー。集中できん。
早いとこ帰ってもらおうー。

 『あー。はいはい。ありが…ひゃ?』

え?今どんな、じょ、状況ですか…?
抱きしめられた?ん?
か、顔が近いいいいいい

 『お前ならできるから。頑張れ。』

ひいいいいい。
耳元で囁かれた。
くすぐったい。

 『う、うん、あ、ありがと』

 『それじゃっ』

ガラガラガラ


今の誰?
いつもの意地悪漣斗じゃない…
いやいやいや、夢だ。
きっと…いてててっ
夢じゃない…
それにしても、漣斗ってあんな顔するんだね…
その後、ピアノを弾くきにはなれずに、

 『………。家帰ろ。』

その日の帰り道は、
漣斗のことが頭からはなれなかった。
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