見つめて…
「だ、大丈夫です……」


そう、小さく答えた。



半面、心臓はバクバクと急加速をしている。



『最近、こういうのないからドキドキするぅ〜』


何故か顔が上げられない。



だって、目の前にいたのは、このストレスも吹き飛んでしまいそうな良い男だったから。



「混んでますね」



彼が、そう言った瞬間、電車は大きく揺れ、彼の手が私の顔を横切った。


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