春のバス停と大先輩
私は電話が来たその夜、百合が寝たのを確認した後に、夫に借金のことを問いただしてみたのよ。


嘘であって欲しかった。


でもね、あの男ったら、私が問いただすと、なーんにも答えなかったのよ。


ずーっと黙って、自分の左斜め下を見て、私の目なんか見ようともしなかったんだから。



始まりがあることには必ず終わりもある

ってことを思い出したわ。


この人との終わりは今かもしれない…

って思ったんだけどねぇ…、百合のことを考えたらねぇ…。


知らないうちに涙がぽろぽろぽろぽろ出て来てねぇ。


そしたら夫は

「……ごめん。
これからはしない。
…約束する。」

って確かに言ったのよ。
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