春のバス停と大先輩
「高校はどこ行ってるの?」


「S高です。」


あたしはおばあちゃんの質問にまっすぐ答えた。


「ああ、あそこなのねぇ。
私の娘はK女だったのよ。」


K女といったら、ここら辺では頭の良い女子高だ。


「へえっ!
頭良いですねっ!」


するとおばあちゃんは、今まであたしの目をまっすぐに見て話していたのに、目をそらして、遠くを見るような目をした。
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