color ~蒼の色~
走って、走って。
ぐんぐんと見慣れた景色は過ぎ去った。

(すごい、私、走ってる…)

怒りも、悲しみも、今の私にはなかった。
土も砂利も、コンクリートも、私はしっかり踏みしめて走ってる。

目の前には、いつかの総二郎の背中。

『あお、走れ』

あぁ、私は一人で走ってる。
あの背中が、走ることを教えてくれた。

―――私も、成長してたんだ――

「ははっ…、あははっ…!」

汗だくになりながら、ひたすら走り続ける私は、こみ上げる気持ちを抑えることはせず、まるであの頃の総二郎の背中を追いかけるように走り続けた。


ねぇ、総二郎。

私も、こんなに成長したんだよ。

置いてかれる気持ちなんて、今はないんだ。

歩幅は違っても、私も追いつけるようにするからね。


どこまでだって行ける。


私は限界まで走り続けた。
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