color ~蒼の色~
もう強引以外の何者でもないやり方で、なんとか今日にこぎつけたんだ!
来てもらわなければ、峰に顔向けできねぇ!

「ねぇ、ほんとに総二郎君来るの?」

不安と苛立ち混じりに聞かれ、来るよって言ったけど、全く自信なんてない。

そわそわ辺りを見渡せば、視界に入ってきたのは、だるそうに自転車をおして歩いてくる、奴の姿。
たっぷり30分遅刻。

「おっせぇ!!」

「もっと遅れる予定だった」

「はぁっ!?」

「蒼がここでいいって言うし、仕方なく」


こ、こいつ…。
まさか吉野がバイバイしなければ、来ないつもりだったな。

ナイス!吉野!!
(でも30分遅刻!!)


全員揃い、俺たちの集団はぞろぞろと歩きだした。

俺は友人らと、峰の友達グループと仲良くなるので必死だった。

そんなとき、聞こえてきたのは、

「ひどいっ!!」

泣いて叫ぶ峰だった。


「総二郎!お前何やってんだ!?」

泣いてる峰を、ボーっとした顔で見てたかと思うと、

「りんご飴、どっこかな~?」

と、立ち去ろうとするし!


「そっうっじっろぉー!!何した、お前!?」

「え?してない」

それ聞いて、さらに泣き出した峰。

なんなんだ。この男は!?

それに気づいて集まってきた花火メンバーの前で、とんでもないことをさらっと言いやがったんだ。
< 52 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop