君の笑顔と青空と
「あったよ。丁度1個パン余っててん」
パンの入った袋を揺すって、美紗の左隣のイスに腰掛ける。
「何やってるん?」
「大富豪!」
美紗の後に続いて、増井が目を細めて言う。
「宏のやつがめっちゃ強うて勝てへんねん!」
景谷、トランプも強いんだ……。
「凌が弱すぎるんちゃう?」
「俺は普通や!」
「あたし景谷に一回勝ったで!凌駕弱いなぁ」
「うっさいわアホ!」
漫才を見てるみたい……。
とろけたチーズの乗ったパンを小さな口でかじりながら思った。
夏休みまで後3日。
始業式があるのはそれから1ヶ月も先。