君の笑顔と青空と



「あったよ。丁度1個パン余っててん」



パンの入った袋を揺すって、美紗の左隣のイスに腰掛ける。



「何やってるん?」


「大富豪!」



美紗の後に続いて、増井が目を細めて言う。



「宏のやつがめっちゃ強うて勝てへんねん!」



景谷、トランプも強いんだ……。



「凌が弱すぎるんちゃう?」


「俺は普通や!」


「あたし景谷に一回勝ったで!凌駕弱いなぁ」


「うっさいわアホ!」



漫才を見てるみたい……。


とろけたチーズの乗ったパンを小さな口でかじりながら思った。




夏休みまで後3日。


始業式があるのはそれから1ヶ月も先。



< 35 / 39 >

この作品をシェア

pagetop