永遠の幸せを
《18》迫る病の影

ー圭吾side-

俺は比呂斗に相談した。



考えられる病名は急性リンパ性白血病…



甥の新が白血病だなんて信じたくないが…


「お前の予感は的中した・・・」



後日…俺は比呂斗から検査結果を見せてもらった。




比呂斗は白血病のパイオニア。
彼は仙台の病院で働いていた。
全国でも数少ない小児白血病の専門医。
彼の名前を訊きつけて、全国から小児白血病に苦しむ子供たとその家族たちが集まってきた。

彼の診察は本来なら予約制で順番待ちだった。

「…白血病患者の病棟は満床だよな。入院できるのか?比呂斗」

「局長の甥だろ?」

「しかし・・・」

「…少子化だからと言って…専門医まで少ないとは最悪だ。俺はすべての子供たちを白血病から救いたくて医者になったのに…頼む…黙って…俺の指示に従ってくれないか?」


「…わかった」


比呂斗も辛い思いしているんだ・・・


俺は黙って、比呂斗に新の治療を委ねた。



< 201 / 258 >

この作品をシェア

pagetop