3秒小説
にひゃくきゅうじゅうさん


夜、塾からの帰りに、踏切で電車が通り過ぎるのを待っていると、


走る電車の下で、背中を踏み潰されている女の子を見た。痛い痛いと泣き叫んでいた。


隣に立つおじさんが言った。


「目をあわせちゃダメだよ。ひっぱられるから」



もう、目があっていた。

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