3秒小説
さんびゃくなな


彼の部屋で、植木鉢に植えられた、長い髪の毛を見た。3メートルくらいまでのびていて、床に垂れている。


「死んだ母さんの髪の毛なんだ。不思議とね、血をあげると、まだのび続けているんだよ」


彼は私をじっと見て言った。


「血が必要なんだ」




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