3秒小説
ろっぴゃくごじゅういち


「おなかを殴られたんだ」


夜の電車内で、隣に座っていたサラリーマンが話しかけてきた。


「何度も何度もおなかを殴られたんだ。それで胃袋が破裂して、ぼくは五歳で死んだんだ」


いぶかしげに横を見てみると、


サラリーマンは白眼をむいていた。


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