3秒小説
はっぴゃくはちじゅういち


血が騒ぎだした。


比喩ではない。私の血液が、突然ひとりでに動き始めたのだ。全身の皮膚が、ぼこぼこと波打ったかと思うと、目から、鼻から、口から耳から、身体中の穴から、噴水のように血がふきだしてきた。


干からびた私を置いて、血は旅立っていった。


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