ずっと大好き…この恋は永遠…



「浅井さん…

あたし…浅井さんじゃなければ結婚してるって知ったら諦められたと思う…

浅井さんじゃなければ…こんなに好きにならなかった…


結婚してたから好きになったんじゃないよ…?


あんな言い方…傷つくよ…」


みのりの頬をまた涙が伝う。


まだまだ溢れそうな目に溜まる涙を拭くと、みのりが浅井に視線を合わせた。


そして、小さく笑顔を作る。


泣き顔にも見える笑顔を…


「帰るね…」


浅井の腕をするりと抜けていくみのりの手を、再び掴み直す事は出来なかった。


みのりの傷付いた顔に、言葉も出なかった。





…―――パタン…



みのりが閉めたドアの音が、部屋に響いた。



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