ずっと大好き…この恋は永遠…

夏の終わり




翌日の空は、厚い雲が太陽を隠していた。


いつもなら苛立つほど光を放っている太陽は、見えないとそれはそれで物足りない。


なんだか太陽にまで見放されたようで、曇りの天気が気分を余計に落ち込ませる。




『もう指名すんな』

そう言った翌日から、塚越は浅井を指名しなくなった。


あの時の言葉が堪えたのか、それともただ単に諦めたのか…

どっちでもよかった。


どうでもよかった。



今回のみのりとの事に、塚越が関係していた事は確かだったが、

そんな塚越が早く卒業してくれればいいと思ったが…


そんな的外れな思いを浮かべる自分に呆れた。


例え原因の1つは塚越にあっても、悪いのは自分。


どんなに今までの塚越への態度を悔いたところで、もう遅い。


みのりへの暴言とも取れる自分の発言を心底後悔したところで、

…もう遅い。





「お疲れ」


午前中最後の教習を終えて、教習生に手帳を返す。


30台近くある教習車の間を縫うように建物に入ろうとした時、後ろから声を掛けられた。



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