ずっと大好き…この恋は永遠…
8..それぞれの事情

お見舞い




翌日の日曜日、みのりの車は悠太の母親の入院する病院に向かっていた。


昨日はたまたま休みだった浅井も今日は仕事で一緒には来られなかった。


来たところで元彼の親に今の彼氏を紹介するのも微妙で…

久しぶりの再会に少しの緊張を感じていたみのりは、1人で行く事に多少心細さは感じてはいたが、会いたい気持ちが勝っていた。


病院に着き、5階の産婦人科病棟でエレベーターを降りると、大きなお腹をした妊婦さんと数人すれ違った。


その姿に沙紀の事を思い出しながら、通り過ぎる部屋の入り口にあるプレートに目を配る。


ナースステーションに部屋番号を聞きに行こうしていたみのりだったが…

ナースステーションに着く前に足を止めた。



『503 小田切春子』


その名前を見つめて…


ゆっくりとドアの方に向き直る。


ドアをノックして開けると、4人用の部屋はやけに盛り上がっていた。




「小田切さん、それ、新しいパジャマ?」


「そうなのよ〜、息子がね、いつも同じのじゃみっともないからって…

こう言っちゃなんだけど、本当にできた息子でねぇ…

まぁ、私の子だから当たり前なんだけど(笑)」


聞こえてきた懐かしい元気な声に、みのりが病室に足を踏み入れた。


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