ずっと大好き…この恋は永遠…

花火大会




「えっ…入院?!」


運転する浅井の口から出た言葉に、みのりが思わず聞き返した。


平日19時の道は、帰宅を急ぐ車で溢れている。


対向車のヘッドライトが浅井の横顔を照らして流れていく。


「あぁ。

なんだっけな…切迫早産の恐れがあるとかなんとかで。

そんな珍しい事でもないらしいし、心配いらないって悟が言ってたから大丈夫だろ」


「そうなんだ…」


沙紀が入院した事は、にわかに信じがたかった。


前、銀行に来てくれた時にはあんなに元気だったのに…


「崇さんもいるし、大丈夫だろ」


「そうだね…」


「みのりが行きたいなら見舞い一緒に行ってもいいけど…

なんかオレがそこまで行くのも違うような気もするしなぁ…」


元夫婦でも、別れてしまえば他人で…

もしかしたらそれ以上に気を使う相手なのかもしれない。


結婚式に出席する事も、お見舞いに行く事も、全てにおいて自分の立場を考えなくちゃならない。


一度は一番近い位置にいたはずなのに…なんだか寂しく感じる。


.
< 213 / 292 >

この作品をシェア

pagetop