星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY


「冬の大地を乾燥から守るかように、根雪が地面を包んでいるように見えたときがあって、それを描いてみたんです。実際に見ると太陽の光とセットになって、綺麗なんですよ」

「へぇー、面白いね」


大輔はそう言いながら、四枚目を手にした。

それは先に見た色彩が美しい三つとは違い、淡いモノトーンだった。

エレキギターのネックに頬を寄せて、ギターのボディを両腕で抱く女性の姿が描かれていた。

女性の目は伏し目がちで、口角をふわっと緩めて上げている。

衣類の描写はないが自然で、穏やかな愛情に包まれているような絵だ。


「これは――」


大輔の視線が綾に向けられた。

綾の頬が少し紅くなっている。


< 43 / 226 >

この作品をシェア

pagetop