車椅子から見える愛

綺麗な海が見たい。
近くではやはり綺麗な海など見れないのかもしれないと思った。


それでも何故か海へ行く。
近くだけどまだ行ったことのない場所があった。


途中で刺身定食を食べる。
サザエの刺身がついていて、コリコリして美味しかった。


自分たちばかり美味しいものを食べて、と思われるかもしれないが、昔は言えなかった一言、障がい児を育てるのは自分の命を削る思い、それほど大変なことなのである。


昔は、障がい児は可愛いのよ、普通の子を育てるのと同じ、そう言うことしか出来なかった。


何故か。自分でもほんとにそう思っていたということもあるが、大変という言葉を少しでも使えば、誰も障がい児を育てる幸せさえも理解してくれなかったからである。


あの頃はほんとに大変とは思わなかった。若かったからかもしれないが。


今の私があの頃の私に言いたいのは、よくやれたねー!ということだ。


20年以上もかりんのことだけを考え、かりんのために生きてきた。それは自分の子供だからということだけで、なんのサポートも受けずにやってきたことは、自分のやりたいことは我慢してということになる。


障がい児のママも、もっと楽に子育てをして欲しい、と今育てている人やこれから障がい児のママになる人には伝えたいと思うのだ。


自分のやりたいことや、好きなことは我慢しなくていいように。サポートしてもらったり、いろんなサービスを利用して。


私は主人が外に連れて行ってくれたので、恵まれていたのかもしれない。


話が脱線した。
近くの海、端の方まで車で行くと、そこには沖縄か?と思うくらいの綺麗な浜辺があった。


もう一度行きたいあの海に。


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