Blood Tear
扉を開けると、カランカランと客を知らせるベルが鳴る。
その音を合図に受付にオーナーと思われる人物が現れた。
「悪いんだけど、他あたってくれる?」
コツコツとヒールの音を響かせ姿を現したのは、青い髪に青い瞳、左目尻に目立つ黒子のある長身の女性。
長い髪を巻いた彼女は煙管を片手に腕を組む。
「あらジーク。久しぶりね」
「どうも、フィーヤ。元気にしてましたか?」
冷たく言い放った女性だったが、訪問者の顔を目にした瞬間彼女は態度をころりと変えた。
2人は顔見知りなのか、軽く握手をし挨拶を済ませる。
「突然で申し訳ないのですが、部屋は空いていますか?」
「勿論。何処でも自由に使って頂戴」
フィーヤと呼ばれた女性はジークの問いに頷くと部屋の鍵を台の上に並べる。
遠慮なく4つの鍵を手に取るとコウガ達3人にそれぞれ手渡す。
「先客が1人いるけど、仲良くね」
「先客……?」
荷物を置きに部屋へ向かうジークの後ろ姿を見つめ言うフィーヤ。
彼女の言葉に振り返る事なく階段を登るジークは1人何かを呟きながら二階へと上がっていった。