Blood Tear


立派な屋敷の中、灯りの点る静かな廊下を2人の兵士がゆっくり歩く。




 「シェノーラ様の件聞いたか?」


 「地下牢に入れられた侍女の事だろ?」


 「そう、あれはいくら何でも酷すぎるだろ。大体彼女は何もしてないんだぜ」


見回りをする兵士は声を潜め静かに話す。


シェノーラと侍女であるリリアについて話している様子だ。






先日、リリアは地下牢に収監された。


理由はない。

ローグが気に入らなかったから、ただそれだけ。


彼の言いがかりで、彼女に非はない。




捕らえられた彼女を救うべく、シェノーラは夜中に部屋を抜け出し、こっそり盗んでいた牢の鍵を手に地下へと向かった。


この屋敷の構造を誰よりも知る彼女は、兵士の誰1人にも出会す事なく地下へと足を踏み入れる事に成功。



冷たい隙間風が吹く地下の中、足音を忍ばせながら奥の牢へ駆け寄ると中の侍女の様子を伺う。


そんなに日は経っていない為、彼女はまだ意識はあるようだった。




 「しかし災難だよな。彼女を助けようとしたのに、結局は自分の手で彼女を失う事になったんだから」


 「鍵を開けた瞬間にあんな事になるなんて、誰も考えたりしねぇよ」


侍女を助けに向かったシェノーラだが、彼女自信が自らの手で侍女を失う事になったのだという。










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