Blood Tear
振り下ろされた刃はジークの喉を切り裂き、溢れ出る鮮血が辺りを赤く染めあげる。
血の滴る剣を片手に壊れたように笑うローグのその声が、降り出した雨の音に混じり響き渡る。
血の海の中意識を手放し命を絶つ筈だった。
なのに、ジークは何の痛みも感じずまだ意識がある。
鋭い刃が振り下ろされる瞬間を目にしたのに、何故?
彼は真相をつきとめるべく目を開く。
紺の瞳に映ったのは、風にはためく黒いマント。
数回まばたきを繰り返し確信した。
何者かがジークの前に立ちはだかり、振り下ろされた刃を受け止めているのだと。